戸建て住宅需要

戸建て住宅需要

【住宅需要の増加による影響】

最近の住宅需要の増加による影響について、その背景を踏まえつつ、産業連関表を用いて簡易な分析を行った。

 

(1) 最近の新設住宅着工戸数の動向

新設住宅着工戸数は、8年度に消費税の税率引き上げ前の駆け込み需要の増加により 163 万戸まで増加し、以降14年度までは、駆け込み需要の反動、景気の低迷により、減少傾向にあったが、最近では増加傾向にある。

新設住宅着工戸数について、利用関係別にその内訳を見ると、直近の17年度では、貸家・分譲マンションの伸びが大きい。

住宅需要が増加している理由としては、景気回復に伴う所得環境の改善のほか、団塊ジュニアが住宅取得層に達してきていること、都市部への人口流入による影響などが考えられる。

 

 

(2) 住宅需要の増加による影響

18年4月~6月期の新設住宅着工戸数は、年率換算 130.4 万戸(季節調整値)となっており、17年度の 124.9 万戸を約 5.4 万戸上回っている。そこで、住宅需要が 10 万戸増加した場合における、住宅投資と住宅取得に伴う耐久消費財購入が生産に及ぼす影響について、「平成16年簡易延長産業連関表(経済産業省)」を用いて、簡易な推計を行った。

住宅投資 10 万戸が生産に及ぼす影響については、「建築着工統計調査(国土交通- 100 -省)」の17年度における1戸当たりの床面積、床面積当たりの建設費用などから、10 万戸の住宅投資額を算出し、上記産業連関表(50部門)を用いて、生産誘発額及び粗付
加価値誘発額を試算した。住宅取得に伴う耐久消費財購入が生産に及ぼす影響については、「公庫融資の利用者における消費実態に関する調査(平成15年度消費実態調査)」(住宅金融公庫)における住宅取得を行った1世帯あたりの耐久消費財購入金額
(引越費用を含む。)などから、10 万戸分の耐久消費財購入金額を算出し、同様に産業連関表(50部門)を用いて、生産誘発額及び粗付加価値誘発額を試算した。

推計の結果、住宅投資 10 万戸による生産誘発額は約 2 兆 5,280 億円、粗付加価値誘発額は約 1 兆 2,320 億円となり、耐久消費財購入による生産誘発額は約 2,140 億円、粗付加価値誘発額は 1,060 億円となった(いずれも16年価格評価)。両者の粗付加価値額の合計は、16年の粗付加価値額の合計に対して、約 0.3%に相当する。従って、住宅需要の 10 万戸増加により、GDPが約 0.3%押し上げられるものと推計される。

 

(3) 今後の住宅需要の見通し

首都圏・近畿圏のマンションについては、売れ行きを示す初月契約率が一般的に好不況の目安とされている 70%を超える水準で推移しており、また、在庫数も大きく積み上がっている状況にはない。

 

短期的には住宅需要が急速に減速する可能性は低いものと思われる。しかし、現在の住宅需要は将来の金利・地価上昇を見込んだ駆け込み需要が含まれるとの見方もあり、金利・地価の影響も含め、今後の住宅需要の動向が注目される。

 

 

<経済産業省公式データより https://www.meti.go.jp/>