戸建て住宅の資産価値

戸建て住宅の資産価値

1. 一戸建て住宅の20年後のリセールバリューについて

一戸建て住宅の価格は、土地の価格と建物の価格の合計額となります。ただし、このうち建物の価値は、築年を重ねるために減少していき、一般に20年を経過すると価値がなくなると言われています。

例えば、3,000万円の土地に2,000万円の建物を建てても、この建物の価値は、年々減少していき、わずか20年で2,000万円の価格が、市場では0円という評価を受けてしまうということです。

つまり、築20年以上経過した中古住宅の価格は、基本的には土地の価格だけということになります。この例で言えば、20年前に3,000万円の評価だった土地が、今いくらで評価されるかで、この中古住宅の価格が決定されるという事になります。

1.1. マンションの場合

参考までに、マンションの場合はどうか考えてみましょう。

マンションの場合、一棟に複数の住戸が存在するため、一戸あたりに占める土地の価格の割合は、一戸建てほど大きくありません。

つまりマンションの価格は、一戸建てに比べて、年を経るごとに価値が減少していく建物の割合が大きいという事になります。

ただしマンションの場合、一戸建てに比べて建物の強度が高いことや、建物に対してもメンテナンスの程度によって評価に大きく違いがでるなどの理由により、一戸建てのように、一概に20年経過後の価格を土地価格で測ることはできません。

ましてや、マンションは建物を壊した後、各住戸に割り当てられた土地を各自が利用するという前提ではありません。立地条件等が価格に反映されるので、間接的に土地価格の影響を受けていると言えるかもしれません。

2. 20年経過時の成約価格の下落幅

20年経過時の成約価格の下落幅を確認しておきましょう。

2.1. 築年数から見た首都圏の不動産成約状況

 

出典:東日本不動産流通機構(築年数から見た首都圏の不動産流通市場 [2020年])

一戸建ては、1,000万程度金額的には下落していますが、下落率は約25%です。対してマンションはなんと約2,700万円の下落で、下落率が54%にもなります。

つまり、一戸建ての方が建物の価値がなくなったとしても、少なくとも土地の価格分だけは評価され値段が付くことを表しています。

この観点から言えば、資産価値的には一戸建てが有利と言えそうです。

日本では「だから土地を持っていたほうが安心だ」という土地神話がありました。

ただし、こうした日本人の土地神話も土地価格の下落や、ライフスタイルの多様化の中でだいぶ様変わりしてきたようです。

3. 持ち家志向の変化

近年持ち家志向も変化してきております。

 

 

3.1. 土地は有利な資産か

土地が絶対安心で有利な資産であるという意識は、少なくなってきているようです。

しかし、住宅購入希望者が、大幅な地価下落のリスクを嫌って土地所有をあきらめたのかというとそうではありません。

3.2. 住宅所有の意識について

若干減少傾向ではあるものの、一貫して土地建物を両方所有したいという持家志向は強いと言えると思います。

3.3. 今後望ましい住戸形態について

年齢データでは、土地は有利な資産かという質問に「そう思う」という回答をした年齢層は20代が一番多く、年代が上がるにつれ減っていき70歳以上が一番少ないです。

住宅の所有に関する意識調査で「土地建物を両方とも所有したい」と回答した年齢層では、30代以降は70%以上と高い割合で、一番少ないのが20代で49.6%でした。

今後望ましい住宅形態の回答では、20代・30代では「戸建て・マンションどちらでもよい」という回答が多いです。

意識としては、持ち家志向が依然高いものの、外的要因による地価の下落リスクや都市部では依然として地価が高いことから現実的には、持ち家に拘らないという層が増えてきていることが見受けられます。

 

4. まとめ

資産価値としての一戸建てのメリットと持ち家志向の変化についてみてきました。徐々にではありますが、今後望ましい住宅形態でマンションと答える方も増えてきているため、今後どのようにライフスタイルが変化していくのか、将来のライフプラン等も加味して住宅の価値を判断されることをお勧めいたします。