不動産(戸建て・中古マンション・土地)を売るのであれば、少しでも良い条件で売りたいものです。
そこで、不動産をより良い条件で売るためのポイントや注意点などについて調べてみることにしましょう。
1 複数の仲介業者(不動産会社)に査定依頼
まずは、複数の仲介業者(不動産会社)に売却物件の査定を依頼します。
あなたの戸建て、中古マンション、土地が、どれくらいの価格で売れそうなのか、複数の不動産会社の査定を受けて金額を出してもらいましょう。
不動産を売却する場合、不動産会社は仲介業者の役割を担ってくれます。基本的には不動産会社があなたの不動産を直接買うわけではなく、買主を見つけるための仲介を行ってくれます。
不動産会社出してくる査定額は『弊社で仲介をしてもらえば、これくらいの価格で売れる見込みがありますよ』という金額です。
不動産会社が戸建て、中古マンション、土地を直接買ってくれる「買取」もありますが、仲介で売却する相場より低くなってしまいますので、よほど急いでいない限りは仲介を利用しましょう。
不動産を査定するときに最も重要なことは、複数の不動産会社に査定を依頼して、査定金額を比較することです。(相見積もり)
不動産会社には大手や中堅、小規模などさまざまな企業があります。そしてそれぞれの企業に「強み」があります。
不動産会社によって得意分野(住宅、マンション、土地)や得意エリアがあるため、どの不動産会社で仲介をしてもらうかによって売却価格が大幅に変わってきます。
戸建てや中古マンションを査定に出す場合、部屋の掃除をしてもしなくても査定額は変わりません。
不動産会社は不動産を見るプロですので、建物や間取りそのものの価値を見抜いてくれます。「部屋が散らかっていて狭く見られて査定額が下がるんじゃないの?」という心配は無用です。
部屋の掃除をして建物の壁を磨いてきれいにして、それから査定。というよりも、なるべく早く不動産会社に査定を依頼し、不動産売却のための次のステップに進んでいきましょう。査定後の購入希望者の内覧が入るまでに掃除をしておけば安心です。
2 仲介業者の選定と媒介契約
仲介業者の選定
次に、売却物件の査定を依頼した複数の仲介業者の中から、売却物件の仲介を依頼する業者を決めます。
仲介業者選びは、不動産売却の成否を大きく左右しますので、慎重に選ぶようにしましょう。仲介業者選びのポイントは、①同じような物件の売買実績があること、②査定額算出の理由が明確であること、③質問や疑問への対応がていねいであることなどになります。
査定額が相場よりも高すぎたり、計算の根拠が明確でなかったり場合は実際に売却をスタートしてもうまく行かない可能性が高いかもしれません。仲介業者を選ぶ際には、物件の相場を知るために複数の仲介業者に査定を依頼することは重要なポイントになります。
媒介契約を結ぶ
査定から実際に契約する不動産を選んだら、不動産会社と「媒介契約」を結びます。
「媒介契約」は3種類
- 一般媒介契約
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
それぞれの特徴を表で確認しましょう。
契約の種類 | 一般 | 専任 | 専属専任 |
2社以上の不動産会社 と契約 |
〇 | × | × |
自分で買主を探して 直接取引できるか |
〇 | 〇 | × |
契約期間 | 制限なし (行政指導では 3ヶ月以内) |
3ヶ月以内 | 3ヶ月以内 |
不動産会社から 売主への状況報告 |
報告義務なし | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
不動産会社の レインズ登録義務 |
任意 | 媒介契約から 7日以内 |
媒介契約から 5日以内 |
※レインズとは?
媒介契約を締結すると不動産会社が、国土交通大臣指定の不動産データベース「レインズ(指定流通機構)」というサービスに、全国の不動産会社と情報を共有するために物件情報を登録します。レインズに物件を登録することにより、さまざまな不動産会社が買主を見つけるために動いてくれることになります。
契約の種類の大きな違いは、1社と契約するか2社以上の複数社と契約するかです。「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」は1社としか契約できませんが、「一般媒介契約」は2社以上と契約ができます。
媒介契約を選ぶ際の注意点1
3つの媒介契約からどの契約を選ぶかについて、媒介契約ごとで不動産会社がどのように動いてくれるか、などの判断基準を解説します。
「専任媒介」「専属専任媒介」は、不動産を高くスムーズに売却するためにオススメです。
「一般媒介」は複数社と契約するため、売主側から見ればより多くの不動産会社が買主探しに動いてくれるため、スピーディに買主が決まると感じます。しかし、「一般媒介」の場合は、最終的に買主に売却できた不動産会社のみが仲介手数料を得ることができます。そのため、よほどの好条件の物件であれば別ですが、「専任媒介」「専属専任媒介」と比べると、不動産会社側の力の入れ具合が下がってしまう場合があります。
「専任媒介」「専属専任媒介」は1社限定で契約を結ぶため、その1社がアナタの物件のために全力を尽くしてくれます。広告宣伝費を十分にかけてくれる、不動産営業マンがより熱心に買主探しをしてくれる、など不動産会社も仲介手数料をなるべく高く得るために、高値で売却ができる買主をスピーディーに探してくれます。
また、「専任媒介」「専属専任媒介」では、不動産会社ごとでさまざまな特典がついてきます。「補修費用負担」「買取保証」など、相見積もりの査定時に特典を比較してみてください。
これらの注意事項から、「専任媒介」「専属専任媒介」を選ぶべきと考えられますが、注意が必要です。既に取引実績があったり信用できる不動産会社があれば「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」を選ぶべきですが、そうでない場合は「一般媒介契約」で契約するのが良いでしょう。
媒介契約を選ぶ際の注意点2
「専属専任媒介」はもっとも不動産会社がアナタ専属で親身になって動いてくれますが、『直接取引ができない』点に注意が必要です。
自分の親戚や知人から、直接不動産を買いたいと言われた場合でも、「専属専任媒介」を締結した不動産会社を通して売却をしないといけません。そのため、本来なら直接売買して掛からない仲介手数料を不動産会社に支払わなければいけません。
ですので、自分の周りの人間が買ってくれる可能性がある場合は「専任媒介契約」を選ぶようにしましょう。