不動産取引に関する法律

不動産取引に関する法律

日本における不動産取引に関連する法律

●売買や賃貸借などの契約に関する法律●

民法は契約の基礎となる法律で、「売買」や「賃貸借」の契約についても基本的な考え方が規定されている。民法では、契約関係にある当事者同士が対等・公平であることが原則とされているが、土地や住宅など、不動産を売買するときや賃貸借するときには、事業者と消費者の間に交渉力や情報量等に差がある。そのため、消費者に不利な取引にならないよう、民法とは別に消費者を保護するための法律も定められて
いる。


民法(法務省)

民法では、契約の成立要件や手付け、瑕疵担保責任など、契約の基本的な考え方が規定されている。契約内容について、当事者間で争いがあった場合や取り決めがない場合には、原則として民法に基づき解決することになる。

宅地建物取引業法(国土交通省)

宅地建物取引業法では、宅地建物取引業者が自ら売り主となる売買契約について、消費者保護の観点から、民法の規定にかかわらず、契約内容の一部に制限を加えるなどの規制がある。具体的には、手付金や違約金等の金額の制限、瑕疵担保責任に関する制限が設けられており、これらの制限に違反する契約条項は無効となる。一方、賃貸借契約の内容に関しては、宅地建物取引業法に特別な規制はない。原則として、借地借家法、民法、消費者契約法などに基づいて取り扱われる。

借地借家法(法務省)

賃借人保護等の観点から、土地(建物の所有を目的とするもの)及び建物の賃貸借契約に関して、民法の規定に優先して適用される法律である。例えば、土地の賃借権の存続期間や更新、建物の賃貸借契約の期間や更新・終了などについて定められている。あわせて、定期借地や定期借家などについても規定されている。また、借地借家法には、当事者で法の規定と異なる合意をしても、借地借家法の規定が適用される条項(このような規定を「強行規定」という)も含まれている。

消費者契約法(内閣府)

消費者契約法は、事業者と消費者には交渉力や情報量等に差があることから、事業者と消費者との間で締結された契約(これを「消費者契約」という)を対象として、消費者保護の観点から、民法に優先する規定を設けている。具体的には、事業者の不適切な行為の結果、消費者が誤認、困惑したまま契約を締結した場合は、その契約を取り消すことができる。また、契約内容に消費者の権利を不当に害する条項がある場合には、その契約条項を無効とすることなどが規定されている。


●土地の利用に関する法律●

土地の利用に関しては様々な法律がある。
土地の利用(用途)や開発、その取引を規制する主な法律は次の通り。


都市計画法(国土交通省)

都市計画法では、街が無秩序に開発されて、住みにくくなることなどを防止するために、市街化区域、市街化調整区域などの都市計画区域を定めるほか、市街化区域における土地の利用用途等を定めている。市街化区域については、土地の利用用途のほか、建物の建ぺい率や容積率など、建物の建築に影響する規制がある。

国土利用計画法(国土交通省)

国土利用計画法は、土地の投機的取引や乱開発などを未然に防ぐために、総合的かつ計画的に国土の利用を図ることを目的とした法律である。不動産取引に関しては、一定規模以上の土地の売買や交換などの取引に関する届出義務などを規定している。


●建物の建築に関する法律●

都市計画に従って適切に建物が建築されるとともに、建物の安全性などを確保することなどを目的として、建物の建築には、法律などにより様々な制限が設けられている。


建築基準法(国土交通省)

建築基準法は、建物の建築について最低限の基準を定めることにより、建物の安全性や居住性などを確保することを目的とする法律である。
例えば、都市計画法で定められた「用途地域」ごとに、建物の具体的な用途(住宅や商業施設、工場など)や、その高さ、面積などを定めている。また、建物の安全確保に関する基準、防火・避難に関する基準などについても規定されている。

長期優良住宅の普及の促進に関する法律(国土交通省)

この法律は住宅を長期にわたり使用することにより、住宅の解体などによる廃棄物の排出を抑制し、環境への負荷を低減するとともに、建て替えに伴う費用の削減によって負担を軽減し、より豊かでより優しい暮らしへの転換を図ることを目的としている。長期優良住宅の認定基準として、劣化対策、耐震性、維持管理・更新の容易性、可変性、バリアフリー性、省エネルギー性、居住環境、住戸面積、維持保全計画などの性能項目を定めている。

都市の低炭素化の促進に関する法律(国土交通省、環境省、経済産業省)

この法律は、社会経済活動その他の活動に伴って発生する二酸化炭素は、その相当部分が都市において発生しているものであることから、都市の低炭素化の促進を図り、都市の健全な発展に寄与することを目的としている。都市の低炭素化の促進に関する基本的な方針の策定、市町村による低炭素まちづくり計画の作成やこれに基づく特別の措置、低炭素建築物の普及の促進のための措置を講じることが定められている。