不動産価格の変動推移

不動産価格の変動推移

住宅の価格はどうやって決まる?

まずは新築住宅、中古住宅の価格はそれぞれどんな要素で決定されるのかについて、ご説明いたします。不動産は、他の商品と比べて価格が高いものの、他の商品と同様に需要と供給のバランスで価格が決まっていきます。さまざまな広告媒体で提示されている不動産の価格は、いわば売主の希望価格です。買主がさまざまな条件と照らし合わせてその売主の希望価格に見合う価値があると考えれば、売買契約が成立して、価格が決まります。

ただ、ほかの商品と比べて不動産は、同じものは存在しません。たとえば、同じ分譲マンション内の同じ間取りの部屋でも、階数が違ったり、場所は異なったりします。しかし、類似している不動産はあります。その類似している不動産から大まかな相場価格を算出する方法が、取引事例比較法です。取引事例比較法では、その不動産近隣エリアで、類似条件(地積、建物面積、間取り、築年数など)の不動産がどれくらいの金額で取り引きされているかなどを考慮して、不動産の相場価格を算出します。要するに、相場価格は、あくまでも一般論に過ぎません。

実際に、売却時に提示する価格を算出する際には、取引事例比較法に加えて、

・国や都道府県が発表している土地の公的価格(公示価格、基準地価格、固定資産税評価額、相続税路線価)の利用
・不動産が賃貸物件であると仮定して家賃収入などを考慮した価値算出
・同じ不動産を新しく建て替える場合にかかる費用の積算

といった、さまざまな情報や鑑定手法を活用して、不動産の個別的な要因を勘案します。その価格を基に、売却時に提示する価格(売主の希望価格)を設定し、買主の条件と折り合った価格が、実際の売買価格となります。

 


不動産価格が変動する要因とは

不動産は、先にもご説明したとおり、原則として需要と供給のバランスで価格が決まります。ただし、一般的な商品と比べて不動産は価格が高いこともあり、需要と供給のバランスは経済情勢などの外的要因にも影響を受けやすいため、不動産価格が変動しやすいといえるでしょう。ここでは、どのような要因が不動産の需要と供給のバランスに影響を与え、不動産価格が変動するのかについてご説明したいと思います。

 

変動の要因その1~価格調査~
不動産、とくに土地には一物四価、一物五価ともいわれるように、さまざまな価格が存在します。

前段でご説明したとおり、売却時に提示する価格を算出する際には、国や都道府県が発表している土地の公的価格(公示価格、基準地価格、固定資産税評価額、相続税路線価)を利用する場合もありますので、公的価格の変動により不動産価格に変動が生じる可能性があります。土地の公的価格のうち、土地取り引きの目安とすることを目的として国(国土交通省)が公表しているものが、公示価格です。公示価格は、毎年3月に1m2当たりの価格(その年の1月1日時点)が公表され、公示対象となる土地は、原則として都市計画法による都市計画区域です。

なお、土地取り引きの目安とすることが目的の価格とはいえ、実際に取り引きされる価格である実勢価格と異なり、リアルタイムなものではありません。また、不動産の個別的な要因によって、公示価格と実勢価格にはギャップが生じることもあります。
不動産価格指数
公示価格は年1回の公表であるため、直近の実勢価格の動向を把握にはつながりません。実勢価格の大まかな動向や推移を把握するための指標として、不動産価格指数があります。不動産価格指数は、年間約30万件の不動産の取引価格情報を基に、全国・ブロック別・都市圏別・都道府県別に不動産価格の動向を指数化しているもので、国土交通省が、毎月公表しています。

 

変動の要因その2~経済環境~
不動産価格の変動には、経済環境も影響します。東京オリンピックなどの大きなイベントが予定されている時、競技場や宿泊施設、飲食娯楽施設などの建物を新規に建設するための用地買収需要のみならず、その周辺に住宅を所有したいという需要も高まり、不動産価格は上昇傾向となります。一方で、リーマンショックや東日本大震災など、経済環境を悪化させたり消費心理を冷やしたりする出来事が生じると、積極的に不動産を取得したいとする需要が低下し、不動産価格は横ばい、または下降傾向となります。

 

変動の要因その3~人口動態~
不動産価格の変動には、人口動態も影響します。人口が増加傾向にあれば、それに比例して住宅需要は高まります。しかし、その逆も然りで、人口が減少傾向にあれば住宅需要は低くなります。確かに日本全体で考えれば人口減少傾向にあります。しかし、コロナ禍においてリモートワークが進んだこともあり、東京一極集中の傾向は弱まり、隣県に移り住みたいという需要が高まりつつあります。マクロ的な人口動態のみならず、住民基本台帳人口移動報告などミクロ的な人口動態もチェックするとよいでしょう。